大谷家のルーツは榊原藩士。姫路より殿様と一緒に来越され、この地に根を下ろされました。
「馬まわりの役」という下っぱの下級武士ですけどね。と言いながらも「殿様からお誉めいただいたことがあるんですよ」と奥様は誇らしげに話されます。
「弓が得意でね。殿様から特別の家紋を授かったのです。うちの家紋は元は橋の葉を2つ並べただけのシンプルなものだったのですけど、その上に矢羽の葉の部分を乗せた家紋を使うことを特別に許されたのです。」
商店街の近代化事業で店を建て替えた時、昔のものは全部処分してしまったので、お宝と言えるものは何も残っていないそうです。それだけに、この家紋に対する思いには強いものを感じました。
絵看板にも家紋を入れていただきました。創業は明治元年!直前まで武家の暮らしをしていて、思い切りよく方向転換をされた潔さに感服です。